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大部のできごと とは?

 海が見える。振り返れば山が見える。島の皆さんにとっては当たり前の自然の風景かもしれない。私たちは小豆島で沢山の素敵な海を見ました。でもここには、朽ちたトタンがあり、動かない電灯があり、ぼろぼろのレールがあった。それも、日本中を探せばどこかには見つかる風景かもしれない。それでもこの場所を特別だと思った。

 

 私たちは大部でこの場所に出会いました。誰かにとっての特別なものは、誰にとっても特別なものではありません。でもその特別性は演劇を作ることによって、誰にとっても特別なものになりうることがある。私たちが「場所」を選んで劇を作る理由はここにあります。

 

 かつて造船所だったこの場所が、三日間だけ劇場に生まれ変わります。ここで見たもの、ここで過ごした時間。それらは特別な記憶となって誰かの胸に刻まれる「大部のできごと」となりますように。

​ 佐久間麻由 江本純子

​わたしたちのこと

演劇を作る際には、わたしたち自身の手で「ここで作り、上演したい」という「場所」を探すところから始めています。

そこでしか見ることのできない景色と共に、その場所でその時生まれるもの(時間や流れている空気や、その日の気温など)と共存して、そこでしか体験することができない“生きた”演劇を作ります。

何も建てない、何も持ち込まない、手ぶらで行う野外演劇活動です。

この活動は2016年から始めたばかり。前回の「できごと」は2月に行いました。

​二月のできごとホームページ

佐久間 麻由 Mayu sakuma

1985年神奈川県生まれ。16歳の時にスカウトされ、TVドラマや、音楽番組のMCなどを経験した後、映画や演劇に出演するようになる。また、2016年2月に、自身初めてとなる、演劇公演『二月のできごと』を企画製作した。

主な出演舞台作品に  FICTION『ディンドンガー』、ベッド&メイキングス『墓場、女子高生』、ハイバイ『て』、財団江本純子『人生2ねんせい』『売るものがある性』、贅沢貧乏『ハワイユー』。

映画作品に『エクステ』(園子温監督)、『極道大戦争』(三池崇史監督)『日本で一番悪いやつら』(白石和彌監督)など。

江本 純子JunKO EMOTO

1978年千葉県生まれ。21歳のときに劇団「毛皮族」を旗揚げ。2000年代、毛皮族は祝祭的な演劇作品の数々を上演し、演劇界で一躍した存在となった。09年、10年に発表した劇作が岸田國士戯曲賞の最終候補となる。12年にはフランス・パリ日本文化会館より招聘され、初の海外公演を行った。2008年より2013年の6年間、セゾンフェローとしてセゾン文化財団の助成を受ける。2016年秋には初監督した長編映画『過激派オペラ』が公開予定。

演出舞台作品に『ライチ☆光クラブ』『幕末太陽傳』など。出演作にシアターコクーン+大人計画『ふくすけ』、映画『恋の門』『東京タワー オカンとボクと時々、オトン』『歓喜の歌』など。

近年の発表作品は『人生2ねんせい』『売るものがある性』『黒い三人のこども』。

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